2009年7月23日木曜日

97年分の1日


 仕事帰りの建物を出ると、まず空気をよむ。
今日は、低気圧か? 湿っているか
からっとして高気圧か?
これによってオヤジの容態が違った。
さらっとした高気圧の日は、体がえらいとは言わない。
低気圧の日は、必ず「てきない」「えらい」が待っている。
パンはあったか?牛乳は、トマトは切れてないか・・・・・・・
6月12日朝7時
長い長い時間がプツンと切られた。
父親が死んだ。
今回も又甦るであろうという僕の読みははずれた。
6週間経った今、僕はゆっくりと振り返る余裕を持った。
さぞ心が楽になるだろうという僕の予想は見事にはずれ
予想もしない心境になった。
僕のこの2年間は幸せだった。
説明のつかないこの心持ち。
子供たちに伝えなければならないことがある。
父は、死の2週間くらい前に、今考えると遺言とも
考えられる言葉を遺している。
『父ちゃん、なかなかいいこと言うに・・』
と言って、『さすがいいこと言うなあ』 と
褒めて励ましていたのだが、まさか
遺言になるとは思わなかった。
ざっとその時メモしておいたのを
たまたまみつけたので、完全に伝えるものでは
ないが、ニュアンスは分かってもらえると思う。
①お前に(豊に)いろいろアドバイスできることに誇り
 をもつことが大事
②人間は自分自身で自分のCMを作れるくらいでないとダメ
 人に作ってもらっているようではダメ
③自分でスポーツをしているように考える。
 キャッチャーの立場で考えたり
 ピッチャーの立場で考えたりする。
 立場が変われば考え方は全く変わる。
④金だけ稼いでニコッとしているようではダメ
 
⑤いろんな引き出しを持つ努力を常に欠かさない
 のが大事
⑥豊の立場を理解し、どうゆうアドバイスをしてやったら
 ためになるのか、常に考える。
 考える時間はたっぷりある。
 ただ寝ているだけではない、それを
 考えることで時間を保てる。
 良いアドバイスができれば嬉しい。
父は、最期に、自分に最高の助言を遺した。
父ちゃん、ありがとう。

1 件のコメント:

masa さんのコメント...

素直に感動的な手記だ。まさかそんな遺言にも似た言葉をじいちゃんが残していたとは。とにかく考えさせられながら読みました。平和に包まれたじいちゃんはきっと幸せな最期を迎えた事でしょう。今度は父と母が今の時間を幸せに生きてくれ。Rest in peace grandpa!!!!!