2008年10月28日火曜日

30年後の聖母(マドンナ)


 
今回、初めて気がついたのだが、30年前、あれほど好きだった
岩崎宏美さんのライブというものを、今まで一度も見たことが
なかった。
かつて未だボクが独身貴族だったころ、車の中の音楽はほとんど
ROCKだったのだが、唯一、彼女だけはヘビーローテーションで
よく聞いていた。カセットにお気に入りを編集して、ベストアルバム
を作って遊んだ懐かしい時代の話である。
その後、彼女も結婚し、子供を産み、子供と離別を余儀なくさせられ
地獄をみて、近頃ようやく立ち直ったという感じらしい。
若作りをして、遠目に見れば、彼女は、まるで20代と変わらぬ容貌
で、歌声も、全く衰えていないのが、本当に嬉しかった。
最近の曲は、人生の機微を静かに語るタイプの歌が多く、
それは、まさに今の心を、そのまま反映した落ち着きぶりだった。
とても驚いたことは、昔はほとんど、ボクのカセットに入らなかった
「聖母マドンナたちのララバイ」が、当時と全く違う歌になっていたことだった。
聖母の子守唄・・・なるほど彼女は、今、真に聖母に
なったのだ。我が子を思いながら歌うことになるとは
まさか当時は思いもしなかっただろうに。
 
コンサート終了後、握手会というものがあって
なんと、30年の時を越えて、昔の恋人にでも
逢うような感じで、順番を待った。
わずか3秒ほどの間に、どうゆう言葉を言えば
古いファンだということが分かるだろう?
考えあぐねる内に、ボクの番となり、咄嗟に
出たのが
『世界で一番好きな声です!』
あーっ!もうちょっと気の利いた
セリフはなかったのか。悔やむ。
今年、彼女は50代に突入し、それをとても
ポジティブに楽しみにしているとのこと、
ようこそ50代へ!!!・・・・・・・

2008年10月26日日曜日

復活の日~我が60代~


ボクも、というより我輩も、と言い直すべきだろうか。
自分でも信じられないことだが、人間暦で10歳を越した。
犬の世界では、60歳代となった。
生まれて間もないボクを迎えてくれた、兄弟たちは、みな
この家から巣立ち、ボクはあっという間に、彼らの年を追い越した。
自分では、以前のように、走り回れると思っているので
つい調子にのって動いたら、腰が立たなくなった。
お母さんは、ネットを調べつくし、ボクに、グルコサミンという
高い薬を買ってくれた。お父さんでも、そんな薬は飲まない。
申し訳ないことだが、おかげで近頃調子がいい。
ボクがいないと、父母とも、愛情の注ぎ場所がないようで
こんなボクでもそれなり、癒し犬の役目は果たしているようだ。
まあ、それに胡坐をかいているようなところもあるのだが。
今回は、特に父に、本当に心配をかけたようだ。一時は
ボクの老い具合に悲観し、ちょっとした欝にしてしまった
ようだ。兄や姉たちに会いたい。又ボール持って来い
で遊んで欲しい。このごろみんなと遊ぶ夢をよく見る。
いったい、いつ帰ってくるんだろうか。
寒くなってきた。

『天国と地獄』で天国と地獄

よくある話だが、あまり名作と呼ばれすぎていて
観たことない映画というのは存在する。
よく観る「こだま」の中の名シーンだけで
観ているような気になっていたのだが
この間BSで観て驚いた。

その地獄とは、後半に、いきなり
B級東宝映画のようになってしまう
ところがあること。冗長な酒場のシーンや
シャブ中のたむろする横丁のシーン!
ほとんどカットしても物語はつながるし
惜しい!これは惜しい!
黒澤明さんが、バリバリの時期でも
こうゆうことがあるのだと思って
びっくり!これ地獄!

そして天国は・・・
ズラリ名優の姿が見られること
まず伊藤雄之助さん!
この人の映画を小さいときに観て
僕のジサマコンプレックスの起源
になったものと思われる、重要な人物だ。
この流れは、森毅先生につながる。
他にも、西村晃さんや、名前は覚えてないが
いやあ、こうゆう俳優さんいたなあ
という人たちズラリ!
うんと長い間ほかっておいて、
十分熟成させてから観るっていうのも
既成のイメージが消えてるから
素で観られておもしろいもんだなと
初めて知った。
改めて言うまでもないが、山崎努さん。
若い時が圧倒的に素晴らしいね。
誘拐されなかった方の子役の江木俊夫と
タメだから、変な感じだ。

2008年10月22日水曜日

3001年ビートルズの旅

 最近は、年代別ROCKのベスト100とか、ビートルズのベスト100など
40代から60代を狙ったと思われる本が多い。
やはり売れるのだろう。ついに読者がえらぶベスト100まで出た。
僕たちは、ビートルズ等のROCKとともに、この50年たらずの
時代を生きてきたが、ビートルズは、この後も人類ある限り
聞かれ続けるだろうから、僕たちファンの数など、とるに足らぬ
位のリスナーが限りなく増え続けていくことになる。
僕たちは、その天文学的な数字のファンのなかで
誠に稀少な、運のいい星屑なのだ。
ビートルズの200曲以上の作品に順位をつけるということは
まさに自分のキャラから、引き出しの数、果ては性格まで
すべてCTでスキャンされるように丸裸となる。
それを覚悟で敢えてフェイントをかけても
それはそれで見破られる。
評論家にならなくて良かった、気楽にベストを選べる、と
わが身の自由さを喜べる瞬間だ。
200何曲の「駒」を使って、僕たちは
実に、知的な、創造的な、ちょっと他に類を見ない
最高のGAMEを楽しむことができる。
この40年間ほどの過去の我が人生がすべて透けて見える
このGAMEに参加し、本に発表して遊べるとは
ご同輩!我々はなんという幸運なGAMEができるのだろう!
PAULやRINGOとともに、今生きて地球(ここ)に在る!
ことを素直に喜びたい。