珍しい写真を見つけた。
50年前くらいだろうか。
初めて見るこの写真、タイムマシンにのったようだ。
右端は上木のおじさん。
列車から顔を出しているのは京都のおじさんだ。
父も母も若い。
まるで自分版『ゴッドファーザー』を見ているようだ。
みんな背広が今よりかっこいいぞ。
母は美しい。
僕はどっかのおぼっちゃまのようにおすましだ。
しかし昔の思いではこんなに華やかではない
広場で行われた「すもう大会」に負けて
母の胸で泣いたこと。
10円玉を何故僕が持っているのかと
母にきつく問い詰められたこと。
家を出て行こうとする母を
「母ちゃん、行くないな」と
泣いて止めたこと。
夜遅くまで仕事を止めない
母の後姿をただ見ていたこと。
母と見ていた映画がつまらないので
途中で帰ろうと言って
そのおかげで父が命を救われたこと。
酔っている父を、見知らぬ人の家まで
迎えに行って、その家の自分と同じくらいの
歳の子供に、「はよう行ってまえ!」
と言われたこと。
痴呆の母を、施設に置いて帰ってこられる
自分がいたこと
足が腫れ、呻いている母を
施設において、帰ってくる自分が
いたこと。
そして
誰がなんと言っても
こうゆう自分には、晩年に
同じ境遇が回ってくるだろう
とおもうこと。
母のあどけない笑い顔は、僕の救いだ。
1 件のコメント:
これは。。。多くを語る凄まじい写真だね。人に歴史ありという言葉について心から考えさせられました。人の身なりもたたずまいにも品格があって現代の日本人より全然格好いいよな。とにかく凄い写真だよ。
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